次から次へと流れてくるモンカゲロウのダン。一回り小さなエルモンヒラタカゲロウや中型のマダラカゲロウも混ざっています。しかし大物はモンカゲロウしかライズしなくなっています。セレクティブになっているわけですね。(実は始まった最初数日は何でも食べていました)
この日、同じプールのバンク際には50㎝前後の良型レインボーが、なんと5尾以上も並んでライズしていました。30㎝前後のチラホラ。無暗に手を出して小物に暴れられると、小物に警戒されてしまいかねません。
どれが狙うべき個体なのかしっかり見極める必要がありますが、水面のダンを食べるライズフォームは、見極めるのが簡単です。とがった頭が出ていたり、太い背中がこんもりとせり出したり、ライズそのものも重量感のある、ただならぬ波紋を広げるからです。
実はテールが見える場合は多くの場合、せいぜい35~40㎝サイズであることが多いです。おそらく重量と全長のバランスのせいでしょう(食べようと浮上するとテールが最後に浮いてしまうほどの重さでしかない)。
それにしても、今年の初夏(2022)は、モンカゲロウのハッチの多い年でした。
川でも湖でも当たり年というのはあるものですが、僕のフライプロ歴25年の中でも
二年以上続くことは稀でしたので、おそらく今年の状況は突出してよかったのだろうと思います。
5月20日頃から始まったハッチは、川全体で一週間たっても終わらず、二週間もたつ頃にはさすがにどこでもというわけにはいきませんでしたが、今年初期から調子のよかった広いプールポイント、アメリカ通のゲストたちと名付けた通称『ヘブン』では、6月20日頃まで、ハッチとスピナーフォール、それに良型レインボーのライズ(何匹も)が、ほぼ毎日のようにありました。ほぼ、というのは、さすがに15日頃からは、日差しの強い日はハッチが減り、ライズも散発だったからです。
上の写真はオオクママダラカゲロウのスピナーですが、羽が震えて、ライズリングのように
振動で波紋が出てきているのが分かります。俗にいう、トラウトの『捕食スイッチ』が入る瞬間といっていいでしょう。
こうした演出を、フライで出来たら、そりゃもう…!?
最後にボク個人で50㎝弱を釣ったのが6月23日、モンカゲロウのスペント。7月の頭にゲストと行ったときは散発でしたがフタスジモンカゲロウのハッチはあり、45㎝サイズは何尾かライスをしていました。フライはダンでOK。今年は賢いマスたちも、モンカゲロウのシルエットへの刷り込みはかなり高かったように思います。
こういうシーズンは、秋になっても…。
9月にはまた通ううことになるでしょう。
ゲストが釣った、一片のカケラもない?見事な野生虹鱒。
ものすごい強さとファイトでしたね。ちょうど50㎝くらいです。
この川では自然産卵の個体が多く、50㎝ぐらいが通常の限界だろうと思います。ローカルのエキスパートの方たちもだいたい同じ意見。十勝の他の川は、成魚放流が多いのが実態で、それはそれでよいのですが、こんな素晴らしい魚とロケーション、マッチングザハッチが成立しますから、ボクのこのエリアのガイドはここ中心に、これからも構築していくことになります。
広いフラットに、流れるカゲロウと静かなライズ。
ひとたび掛かれば、野生のジェットラン。
至極のひととき。
ゲストたちもボクも、
こんな釣りをするために、長い間、世界中を釣り歩き、
フライフィッシングをやって来たんだと思えるような時間でした。
日本にもこんな場所があるんだね、というご感想。
今年はアタリ年なんですよ、というのがボクのウソ偽りのない意見。
ちなみに、このポイン『Heaven』はアイダホ州のヘンリーズフォークのPineHeavenから拝借。『アイランド・パーク』というのもあります(写真一枚目のライズするバンク際)
来年も可能性としては十分にあります。
また、秋9月中旬~10月も良いでしょう。
これを読まれて、一度経験したいと思う方はぜひ、ご予約どうぞ。
やはりこの時期は人気がありますので…。
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